モリンガはいつから食べられる?
モリンガは離乳食期には無理に取り入れる必要のない食材で、与えるとしても幼児食期の1歳6ヶ月ごろ以降が目安です。β-カロテン・ビタミンC・カルシウム・鉄が豊富で栄養価の高い葉野菜のひとつで、熱帯地域では古くから野菜として食べられてきました。ただし厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」にモリンガの記載はなく、乳児に与えてよい量の公的な目安がありません。また日本で手に入るモリンガのほとんどは加熱していない乾燥パウダーやお茶で、生の葉を野菜として少し使うのとは濃さがまったく異なります。離乳食期に不足しがちな栄養は、おかゆ・野菜・豆腐・白身魚・赤身肉といった基本の食材でまかなえますので、まずはそちらを優先しましょう。取り入れる場合は必ずかかりつけ医に相談し、初めて与えるときはごく少量から始めて様子を見ましょう。
月齢別の形状・硬さ
5〜11ヶ月(離乳初期〜後期):与えません
この時期のモリンガは見送ってください。乾燥パウダーは栄養成分が濃縮されており、体の小さい赤ちゃんにとって安全な量がわかっていません。食物繊維が多いため、消化機能が未熟なうちは下痢やお腹の張りにつながることもあります。海外では栄養不足の地域で乳児向けの補完食にモリンガの葉粉末を加えた研究がありますが、血液中のヘモグロビン値や身長・体重の伸びが改善したという結果は得られていません。日本で通常の離乳食が食べられている赤ちゃんに、あえて使う理由はない食材です。
目安量:与えません
12〜18ヶ月(離乳完了期):基本的には見送ります
離乳食が完了に近づく時期も、基本的には見送って問題ありません。この時期は1日3回の食事と補食で栄養をとる練習をしている段階なので、味や香りにクセのあるパウダーを混ぜるより、素材そのものの味に慣れることを優先しましょう。どうしても使いたい場合は、自己判断で始めず、かかりつけの小児科医に相談してから決めてください。
目安量:与えません(使う場合は医師に相談のうえで判断)
1歳6ヶ月〜(幼児食):加熱する料理にごく少量だけ混ぜる
幼児食に進んで、いろいろな食材を問題なく食べられるようになってから、ごく少量を試すのが目安です。使うのは葉の部分だけを原料にした食用のパウダーに限り、スープやおかゆ、蒸しパンの生地など、必ず加熱する料理に混ぜ込んでください。粉のままスプーンで口に入れるとむせやすいので避けます。青菜に近い草っぽい風味があるため、いも類や乳製品などコクのある食材と合わせると食べやすくなります。初めての日は耳かき1杯程度から始め、便がゆるくならないか、発疹や不機嫌がないかを確認しながら少しずつ増やしましょう。
目安量:1日0.5g(小さじ4分の1弱)程度まで。毎日ではなく、様子を見ながら時々にとどめます
調理のポイント
必ず加熱してから使いましょう。モリンガのパウダーは加熱殺菌されていない農産物の乾燥品で、乳幼児が食べる場合は微生物のリスクに配慮が必要とされています。仕上げに振りかけるのではなく、煮汁やスープに溶かして一緒に火を通すか、加熱する生地に練り込む形で使ってください。
原材料が「葉」だけの製品を選びましょう。モリンガは葉のほかに根・樹皮・種子も流通していますが、根や樹皮には注意が必要な成分が含まれるとされています。子どもに使うなら、原材料表示が「モリンガ葉」のみで、食品として販売されているものを選び、サプリメント形状のものは使わないでください。
ごく少量から、量を守って使いましょう。栄養価が高いからと多く入れても、その分健康によいわけではありません。食物繊維が多く、急にたくさんとるとお腹が張ったり便がゆるくなったりすることがあります。大人向けの摂取量をそのまま子どもに当てはめないよう注意してください。
開封後は密閉して冷蔵し、早めに使い切りましょう。粉末は湿気を吸って固まりやすく、風味も落ちます。開封後はチャックをしっかり閉じるか密閉容器に移して冷蔵庫で保管し、表示された期限内に使い切ってください。少量ずつしか使わないので、大袋ではなく小容量の商品のほうが管理しやすくなります。
モリンガを使ったレシピ例
モリンガ入り野菜スープ(幼児食・1歳6ヶ月〜)
にんじん・玉ねぎ・じゃがいもを5mm角に切り、水150mlでやわらかくなるまで煮ます。火を弱めてからモリンガパウダーをごく少量(耳かき1杯〜小さじ4分の1弱)加え、ダマにならないよう混ぜて1〜2分ほど煮ます。塩は使わず、野菜のうまみで仕上げましょう。とろみが欲しいときは、じゃがいもを軽くつぶすと食べやすくなります。
モリンガの蒸しパン(幼児食・1歳6ヶ月〜)
小麦粉50g・ベーキングパウダー小さじ2分の1・モリンガパウダーごく少量を混ぜ、牛乳50mlを加えてなめらかになるまで混ぜます。カップに8分目まで流し入れ、蒸し器で10分ほど、竹串を刺して生地がつかなくなるまで蒸します。粗熱がとれたら、のどに詰まらせないよう食べやすい大きさに切って与えてください。手づかみ食べの練習にも向きます。
よくある質問
Q. モリンガでアレルギーは起こりますか?
モリンガは食品表示基準の特定原材料28品目には含まれておらず、アレルギーの原因として広く知られている食材ではありません。ただし乳幼児が食べた場合のデータそのものが少なく、「絶対に起こらない」とは言い切れません。モリンガはワサビノキ科で、大根やブロッコリーなどと同じ仲間の香り成分(からし油配糖体)を含みます。初めて与えるときは、平日の日中など医療機関を受診できる時間帯に、ごく少量を単独で試してください。口のまわりの赤み、じんましん、嘔吐、下痢、機嫌の悪さなどが見られたら中止し、医師に相談しましょう。
Q. モリンガ茶なら赤ちゃんに飲ませてもいいですか?
離乳食期の水分補給は、母乳・育児用ミルク・湯冷まし・薄めた麦茶で十分です。モリンガ茶をあえて飲ませる必要はありません。お茶の形であっても成分をとることに変わりはなく、乳児に適した濃さや量の目安が確立していないためです。幼児食期以降に試す場合も、薄めにいれたものを少量にとどめ、水やお茶の代わりに常用させないようにしましょう。
Q. 授乳中に母親がモリンガをとるのはどうですか?
母乳によいという情報を見かけることがありますが、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報では、モリンガの有効性について信頼できる十分な情報は見当たらないとされています。また妊娠中は根・樹皮・花・葉の摂取が子宮収縮や流産につながる可能性があるとして、おそらく危険と評価されており、授乳中についても安全性を判断できるだけの情報がそろっていません。持病や服薬がある場合は薬との相互作用も指摘されているため、自己判断で続けず、かかりつけ医や薬剤師に相談してください。
Q. 作った料理は冷凍保存できますか?
モリンガを混ぜたスープや蒸しパンは、他の離乳食・幼児食と同じように冷凍できます。粗熱をとってから1食分ずつ小分けにし、清潔な保存容器やフリーザーバッグに入れて冷凍し、1週間程度を目安に使い切りましょう。食べるときは中心までしっかり加熱し、人肌程度に冷ましてから与えてください。一度解凍したものの再冷凍は避けます。














